Tibet Journeys

チベット ひとり旅

チベットひとり旅~2019年9月~

2019年9月、チベット(ラサ)へ一人旅に行ってきました。

旅が決定し、色々と調べようとしたところ意外と情報が少なく、今回自分の経験が、今後旅される方のお役に立てばと思い、また、単純に自分への備忘録的な意味も込めてブログを書いてみたいと思います。

 

※ブログ中のレート計算は全て1元=15円で計算しています。

 

先ず自分は2019年9月の時点で、40歳、サラリーマン、既婚、子供なしという状況です。

勤め先が外資系という事もあり、毎年夏休みは個別に取るシステムになっています。

いつ取るかはチーム内で話し合って決めてね、そして必ず5連休取りなさいよ(月~金で5連休し、前後の土日も合わせて、基本みんな9連休になります)という社内ルールがあります。

仕事の都合上9月の第2週で夏休みを取ることにし、そこに向けて妻とちょこちょこと今年はどこに行こうかと話し合っていました。自分は毎年妻と国内をあちこち行っており、この年もそのつもりで国内をあれこれと調べていました。ところが8月の半ばくらいで妻がどうしても休みが取れないと。

そこで妻からの一言「今回は一人でどっかに行ってきたら?」

自分、妻のコメントに食い気味で「マジで?じゃあそうするよ!」

実は過去にバックパッカーで世界一周をしており、その時の楽しかった記憶が忘れられず、チャンスがあればまた一人で海外行きたいなぁと、ずっと思っていたのです。

何度か仕事では海外に行っていたのですが、やはり「旅」として行くのと「仕事」として行くのとは全く別物なわけで。妻があまり海外旅行に興味を示さないのもあり、ずっとチャンスが無かったのです。

 

決まるが早いが早々に一人旅の計画に移ります。

先ず考えたのが行ったことのない国。次にマイルが結構たまっていたので、マイルで行ける範囲。そこで最初はスリランカに行ってみようかと思ったのですが、日程的に難しく諦め。うーん、どうしようかとグーグルマップであっちこっち行ってたら目に入った「チベット」の文字。

ここだ!

ダライ・ラマの自伝を読んでいたり、セブン・イヤーズ・イン・チベットも読んだり、見たり。もともとチベットには興味があったのです。10年前の世界一周時には全然興味なかった、というか、知らなかったので、中国国内は色々と行ったのですが、チベットは全くのスルーだったんですよね。でもやはり世界一周は自分の中での世界への興味の扉を思いっきり開いてくれて、帰国後色々な国や地域に興味が沸き、可能な限り本を読んだり映画を見たりしていました。

そこでチベットの事も知り、ラサの風景に魅了され、ダライ・ラマの考えに深く共感し、いつかは行ってみたいなぁと思っていたのです。

よし!早速調べてみよう!

どれどれ。

・外国人はチベット自治区にはガイド無しでは入れない。

・入境許可証(パーミット)が必要

・・・。

いきなり面倒くせー。チケットだけ取っちゃえば行ける訳じゃないんだ・・・。

でも、ここで諦めたら多分もう2度と行かない気がする。ここで行かなければいつ行く?

やれ、俺。動け、俺!(この決心したのが8/12)

そこから怒涛のチベット旅行の手配ラッシュの始まりです。

 

先ず2019年9月時点で、外国人がチベット行こうと思うなら、上記の2つが必須条件なのです。

よし。先ずは夏休みの日程を決めてしまおう。9/7(土)~9/15(日)これは社内調整だけなので特に問題なし。

 

よし!次は飛行機の手配だ。

チベット旅行の玄関口は中国の成都が一般的という事で、先ずは成都までのチケットを確保しなければ。まだガイドの手配も何もしてないけど、とりあえずこの日程で成都にいなければ話にならないから、そこを先ず押さえよう。

そこで調べてみると9/7(土)出国、9/15(日)帰国の便があるじゃないですか。よしよし。と、ここで取ってしまえばよかったのですが、まだどこかに迷いがあり、というか、本当にこのタイミングで行けるのかに不安があり、ちょっと躊躇してたんですよね。

2時間後、7日発のチケットが完売していました。

え?マジで?

ここで覚悟が決まりました。迷ってる場合じゃないんだ。もうどんどん決断していかなきゃいけないんだ。で、結局取れたのが9/6(金)出国のチケットでした。これはもうしょうがない。ここも仕事休もう。休めるように自分でしっかり仕事調整すれば問題ないでしょ。幸い休みに関しては非常に寛大な社風もあり、そこは問題なく休みが取れました。

9/6成田→9/6上海 3時間25分 マイル使用

9/6上海→9/6成都 3時間35分 マイル使用

9/15成都→9/15上海 2時間55分 マイル使用

9/15上海→9/15成田 3時間40分 マイル使用

よし!これでとにもかくにも中国までは行って帰ってこれるぞ。

次はこの日程でガイドの手配とパーミットの手配&成都チベット(ラサ)のチケットの確保。

ちなみに成都チベット(ラサ)の移動方法としては、飛行機で行くか、電車で行くかの2択らしい。

ここでラッキーだったのが、自分が外資系企業に勤めている事でした。中国支社の人間(中国人)に色々と情報を聞くことが出来たのです。

彼女曰く

・ラサは非常に標高が高いため(3,656 m)飛行機で行くとほとんどの人が高山病にかかってしまう。

青蔵鉄道を使えば、時間はかかるけど、徐々に標高が上がるから高山病にかかりにくい、そして景色も綺麗。

なるほど。限られた日程の中、高山病で無駄な日を作りたくない&電車の旅は嫌いじゃない(世界一周の時も中国の長距離列車の旅は経験済)から、ここは電車で行こう。

通常、青蔵鉄道のチケットの手配は旅行代理店に頼むのが一般的です。ただ自分の場合は幸運にも、上記の通り中国在住の中国人とコネクションがあったので、彼女にチケットを調べてもらって、購入までしてもらいました。

で、取れたチケットが

9/8成都→9/9西寧 軟臥(いわゆる寝台) 15時間4分 360元=5,400円

9/9西寧→9/10ラサ 硬座(いわゆる普通の座席) 21時間24分 224元=3,360円

えー。西寧~ラサは硬座かぁ。これ絶対キツいよなぁ。今回の旅はそういうキツくてもよいから安くって事ではないんだよなー。でもしょうがない。このタイミングで残ってるチケットがこれしかないんだし、迷ってる間にこのチケットすら無くなる可能性があるし。よし!行きのチケットはこれで決定。(通常、このチケットを取るには旅行会社にお願いするのが一般的なので、本来ならこれに手数料が乗ってきます。いくらかは知りませんが)

感想:軟臥は全く問題なし。周りも基本的にお金に余裕があるというか、それなりの人たちが乗ってるので、色々と安心。トイレの掃除も定期的にしてくれます。ベッドで横になって本読んだり、景色みたり。お湯は無料で常備されているので、お腹が空いたらカップラーメンとかいつでも食べれる。自分は日本からカップラーメンとかインスタントコーヒーとか持っていきました。

そして硬座。これはキツかった・・・。ずっと座りですからね。連結部分でバンバンタバコ吸ってるから常にタバコ臭いし、横になれないし。節約の必要が無いのであれば、間違いなく軟臥にするべき。お湯は変わらず常備されてるので飲み食いには困らないのですが。

 

次は帰り。帰りは高山病の心配も何もないし、ギリギリまでラサで時間を使いたかったので飛行機で決定。

9/14ラサ→9/14成都 2時間15分 マイル使用

即決。

これで成都からラサまでの行きかえりのチケットはゲット。と、同時にガイドの手配&パーミット確保も進めていかなくては!チケット確保と同時進行で進めていきました。

 

調べていくと何社かチベット旅行の手配をしてくれる旅行代理店を確認。1社にしか聞かないのは色々と怖かったので、自分は下の2社に問い合わせ&見積もりを依頼しました。

一つは「東チベット旅行クラブ」https://www.higashitibet.com/

一つは「Arachina」https://www.arachina.com/

条件は

・9/10ラサin、9/14ラサout(計5日間)

・日本語が喋れるチベット人のガイドの手配

以上。

ラサまでの交通手段、ラサのホテルは全て自分で手配するので、ツアーのアレンジのみお願いしました。

どちらもとても丁寧に対応してくれて、全く問題なく見積もりをもらう事ができました。

で、結局自分は「Arachina」にお願いする事にしました。

2社の違いは、ラサ市内観光時に車が付くか付かないかの違いくらいでしたが、自分はなるべく現地の交通手段を使いたい方なので、車が付かない、その分料金も安いという事で「Arachina」に決めました。

見積内容は、パーミット手配、日本語ガイド、4日目だけの貸切車(4日目だけラサ郊外へ行くため)、各寺院等への入場料、それらを含めて7,790元=116,850円

2社に見積もり取ってどっちもこんな感じだったので、9月という時期と、一人旅のアレンジツアーだと、だいたいこんな感じなのかなぁと思います。

 

そもそも、一人でチベットに行こうって人どのくらいいるんだろう・・・。

チベットへの旅行中に一人で来てる人は見かけなかったし、ガイドに聞いても10年やってて一人で来た人をガイドしたのは今回が初めてだって言ってたし。そう考えるとこのブログが一体どのくらいの人の役に立つのかを考えると甚だ疑問ではありますが、続けていきましょう。

 

さぁこれで移動やら観光やらの手配関係は全て完了です。めちゃくちゃホッとしました。

最後ツアーの申し込みが完了したのが8/16(行こうと決めたのが8/12)。余裕で出発の1月前切ってますね。正直このスケジュール感だとかなりバタバタします。

ガイドの手配も明日までに返事くれないとまた探し直しです、とか、パーミットの手配には2週間くらいかかるから、明日までには返答ください、とか、とにかく色々な事をギリギリで決めていく感じでした。まぁでも普通はもっと余裕もって予定組みますよね。逆に、こんなスケジュール感でもなんとかなったという事ですね。

 

続いては宿の手配ですね。

成都には2泊しなければなりません。先ずは初日の9月6日の宿。この日は成都の空港に着くのも遅いし、空港の近くの宿にしよう。

Jinjiang Inn Select Chengdu Shuangliu International Airport (ジンジャン イン セレクト チョンドゥー シュアンリォウ インターナショナル エアポート)1泊180元=2,700円

感想:可もなく不可もなく。着いた時間も遅かったし、本当に寝るだけでした。空港までの無料シャトルあり。

 

列車の日程の都合で、もう1泊しないといけないで、次はもっと市内に入ったところに宿を取ります。

実は、パーミット取得後、それを成都の宿まで送ってもらってそれを受け取らないと、予約してある青蔵鉄道のチケットも入手できないし、その列車に乗ることも出来ないのです。

なのでその辺が大丈夫そうな?宿を選びました。あと、単純にバックパッカー宿に久しぶりに泊まりたかったのもあります。

Chengdu Mrs Panda Hostel(チェンデュー ミセス パンダ ホステル)1泊115.2元=1,728円

感想:コテコテのバックパッカー宿でした。スタッフの対応も良く、良い宿だと思います。こういう宿ならでは情報の豊富さや雰囲気は、個人的には非常に好みです。

 

続いてはラサ市内でのホテルですね。4泊もするので、これは今回の旅の重要なポイントです。お金が無い訳ではないけど、超余裕がある訳でもない。で、選んだのが

Tashitakge Hotel Lhasa(タシタゲ ホテル ラサ)4泊1,137元=17,055円(朝食込み)

感想:大正解!立地も良かったし、スタッフの対応も良かったし、綺麗にされてるし、内装もこだわってる感じだったし。屋上で食べる朝食時に、毎朝ポタラ宮を拝めるのがまた良し!ただ、シャワーの勢いは弱い。

 

9月14日~15日は、15日のフライト時間も早朝なので、成都空港泊=0円。

感想:ご飯は食べるとところに困らないし、警備員には何も言われないし、探せば横になれるベンチはいくらでもあるし、コンセント、水飲み場もある。到着フロアの方が空いてて静かで寝やすい。この情報いる??

 

基本的に自分は全てBooking.comから宿の手配をしました。

最初から最後までそれで特に問題なかったです。

 

さぁ!これで事前にかかる費用が全て出ました。ここで整理してみます。

 

9/6成田~9/6上海 3時間25分 マイル使用

9/6上海~9/6成都 3時間35分 マイル使用

9/6 Jinjiang Inn Select Chengdu Shuangliu International Airport (ジンジャン イン セレクト チョンドゥー シュアンリォウ インターナショナル エアポート)1泊180元=2,700円

9/7 Chengdu Mrs Panda Hostel(チェンデュー ミセス パンダ ホステル)1泊115.2元=1,728円

9/8青蔵鉄道 成都~9/9西寧 軟臥 15時間4分 360元=5,400円

9/9青蔵鉄道 西寧~9/10ラサ 硬座 21時間24分 224元=3,360円

9/10-14 Tashitakge Hotel Lhasa(タシタゲ ホテル ラサ)4泊1,137元=17,055円(朝食込み)

9/10-14 ツアー代金 7,790元=116,850円

9/14ラサ~9/14成都 2時間15分 マイル使用

9/14 成都空港泊 0円

9/15成都~9/15上海 2時間55分 マイル使用

9/15上海~9/15成田 3時間40分 マイル使用

合計9,806.2元=147,093円

 

これに別途空港税が合計2万円くらい。

そして、現地での食事や移動費、お小遣いとして2万円分両替していって、ちょうど綺麗に使い切りました。

 

夏のハイシーズンはもう少し高くなるだろうし、冬のローシーズンはもっと安くなるだろうし、行く時期によって間違いなく色々と金額は上下すると思いますが、2019年の9月だとこんな感じでした。

 

さらに自分が行く前までに気になっていた点をいくつか。

・中国はキャッシュが使えない?=ニュースでそういう情報がよく流れていたので、わざわざ「銀聯カード」を作っていきました。結果、成都チベットではキャッシュ普通に使えました。逆に銀聯カード使えるところの方が少なかったです。まぁ、あって安心するものではあるけど、全然キャッシュのみでも大丈夫という感じでした。

・ラサではどこまで自由に動けるの?=ガイドさんと行動するのは基本的に日中のツアーのみなので、ツアー後は基本的に自由にあっちこっち行けます。もちろん寺院等は入れませんが、自分はローカルバス乗ってあっちこっち行ったり、ラサ市内をぐるぐる歩き回っていました。

・ラサの物価は?=自分の場合はほとんど買い物をしません。なので、この辺はよく分からないのですよ。会社、妻へのお土産を買ったくらいで、後は現地での移動費と飲食くらい。飲めるタイミングがあればビールもよく飲んでて、それでも出国~帰国までで2万円でちょうどだったので、やはり日本よりはいくらか安いですよね。

・9月のラサでの服装は?=標高が高いので、とにかく日中は日差しが強く、暖かかったです。Tシャツor薄手のシャツで十分でした。プラスで一枚何か羽織れるものがあれば問題ないと思います。サングラス、日焼け止めは必須ですね。

 

最後にチベット旅行の個人的な感想になります。

個人的に、チベット、ラサって、荒涼とした大地に哀愁漂わせて、旅情をバシバシくすぐってくるようなイメージがありました。でも、実際にはラサの中心地は中国の他の都市とほとんど変わらない印象でした。もう中国資本の入り方がエグいんですよね。

中国国内ってほとんど中国国旗って目にすることないんですよ。まぁ日本みたいなもんですね。日本でもあまり国旗を家の軒先とかにかかげる文化ってないですもんね。中国もそんな感じなんです。でも、青蔵鉄道でラサに近づくにつれて、どんどん中国国旗が目立ってくるんです。そして、ラサに着いたら本当にもうそっこら中に中国国旗が掲げられてるんです。グルッと周りを見渡して、中国国旗が目に入らない風景がないくらい、そこら中に掲げられてるんです。

外国人観光客はもちろん、チベット人、そして中国人旅行者に対して「ここは中国のものですよー!」って強烈なアピールをしているみたいな。ラサにいる間、この興ざめ感がずっとありました。

ポタラ宮やノルブリンカも見学したけど、これって本来は見学できない訳じゃないですか。家主のいない間に家に上がり込むみたいなもんなんじゃないかと。

本来そこに住まうべき人は、政治的理由によりそこに居れなくて、その間に観光という名で上がり込んでる訳ですからね。

チベット人に実際どうなの?聞いてみたんですよ。そしたら色々と暮らしは便利になったそうです。確かにそれは事実としてそうなのでしょう。別のチベット人は、これは本来のチベットの景色ではないって。これも間違いない意見なのでしょう。もっとたくさんのチベット人と話してみたかったなー。

写真みると、10年前と今のラサって街の景色が全然違うんですよ。そして、10年後も間違いなく変わってると思うんです。そこら中で工事してたから。

主人の居ない間に勝手に庭先をいじっているようにしか見えないんですよね。。。

 

セラ寺とか、チベット宗教の雰囲気を感じられて、もの凄く良かったわけです。ただ、だからこそ中国軍による宗教施設の大量破壊行為という事実が憎いんです。

ラサ市内にそこら中で見かけた、文化大革命70周年!おめでたい!的なでっかい看板は、趣味の悪い冗談かなにかでしょうか。

 

自分の文章力の低さ加減が嫌になりますが、今まで行った他の国や観光地みたいに、綺麗!とか、でけー!とは全然違った感じの旅になりました。

 

最後に、ここまで読んでいただきありがとうございました。

このブログがチベット旅行を迷っている人の一押しになり、一人でも多くの人がチベットの「今」を見て、感じた事をシェアしてくれたら、こんなに嬉しいことはありませんね。

チベットってやっぱり日本ではまだまだマイナーな存在なんだと思います。自分もチベット行くって言った時、ほとんどの人がチベットってどこにあるの?って感じでしたからね。それでもやっぱり帰ってきたら、みんな未知なるチベットの話を興味深く聞いてくれるんです。

どこで何がどうなるか分からないけど、最低限先ずは「知る」事が大切ですよね。